第58回 日本臨床眼科学会

  • 日時:2004年11月11日〜14日
  • 会場:東京国際フォーラム

第58回 日本臨床眼科学会

(2004年11月11日〜14日 東京)

今学会では、レーシックなど屈折矯正手術の分野において、Quality of Vision(QOV:見え方の質)にフォーカスした数々の報告が行われた。当院ではイントラレーシックの臨床成績、従来のスタンダードレーシックとの比較について報告し、眼科専門医に向けたLASEKの手技についての教育プログラムも実施した。より良いQOVの実現に向け、ウェーブフロントによる高次収差測定が不可欠であるとの方向性が示された。

セッション『角膜 検査』

一般講演『近視眼における全角膜厚と角膜上皮厚』

堀川良高・北澤世志博・土信田久美子・高橋洋子・山村基成

近視眼における全角膜厚および角膜上皮厚を測定し、全角膜厚および角膜上皮厚に関連する因子を検討した。方法として、LASEK術中に超音波パキメーター(トーメー社製)を用いて全角膜厚および角膜上皮剥離後のベッド厚を測定し、その差を角膜上皮厚として算出した。

結果として、角膜上皮厚に対して全角膜厚は正の相関を示した。年齢、コンタクトレンズ歴、術前屈折度球面ならびに円柱度数は、角膜上皮に対して明らかな相関を示さなかった。コンタクトレンズ歴に関しては、全角膜厚に対して負の弱い相関を示した。結論としては、角膜が厚い例では角膜上皮も厚く、その割合は従来から報告されている10%に近いことが示唆された。

セッション『LASIK 1』

一般講演『LASIK(Laser in situ keratomileusis) vs Intra LASIK』

北澤世志博・土信田久美子・高橋洋子・堀川良高

フェムトセカンドレーザーでフラップを作成するIntra LASIKが、近年注目されている。今回我々は、Intra LASIKの術後経過について、術後1ヵ月の裸眼・矯正視力、等価球面屈折度、矯正精度、フラップ厚、高次収差、striaeとwrinklesの頻度などを、LASIKの術後経過と比較検討した。

結果、Intra LASIKは通常のLASIKと同様に、良好な矯正精度や術後視力視力が獲得できる。FSレーザーによるフラップ作成にはある程度慣れを要するものの、厚み誤差が少なく、角膜厚に余裕がない症例でも安心してフラップを作ることができる。さらにIntra LASIKは、術後の高次収差増加の軽減やwrinkles・striaeの発生頻度が少ないなどの利点もあり、今後普及していくことが期待される。

一般講演『Intra LASIKによるフラップ作成とその学習効果』

高橋洋子・北澤世志博・土信田久美子・堀川良高

LASIKのフラップは、一般的にはマイクトケラトームを用いて作成するが、厚さにバラツキが生じ、時にフラップトラブルをもたらす。よってフラップ厚をコントロールすることは、LASIKを安全に行う上で重要である。近年、波長1,053nmのフェムトセカンドレーザーを用いてフラップを作成するIntra LASIKが、厚みがコントロール可能な点で注目されている。今回我々は、当院におけるIntra LASIKの学習効果や手術手技の工夫について報告する。

当院では現在、LASIKの約40%をIntra LASIKで行っている。これまでのIntra LASIK施行期間を3つの時期に分け、フラップ厚・矯正精度・手術時間について比較検討を行った。導入初期より重篤な合併症は経験しなかったが、日本人では瞼裂・角膜のサイズなどが欧米人とは異なるため、フラップ径や位置の決定に、眼球サイズに適した工夫が必要であった。

症例を重ねるにつれ、厚みの精度も高まり、眼球への吸引リングの吸着法や圧平方に学習効果が認められ、フラップのリフティングや整復方法も洗練された。これにより、第1期から第3期にかけて手術時間が短縮されている。さらに切除面の均一化にともない、トラッキングの確実性が増し、矯正精度もさらに向上した。IntraLASIKにおいても症例を重ねるうちに、フラップ切除面の均一性や術式の安定性、さらに矯正精度の向上や手術時間の短縮などの学習効果が認められた。

ポスター展示『屈折矯正1』

『LASIK術前の眼鏡矯正状態が術後近見障害に与える影響』

増田冷香・高橋恵美・提嶋真理・沢井秀明・土信田久美子・高橋洋子・北澤世志博・森秀樹(東京医大)

LASIK術後に近見障害を訴える症例を経験することがある。今回我々は、LASIK術前の眼鏡矯正状態が、術後の近見障害に与える影響について検討した。

対象を、術前の眼鏡矯正状態で常用眼鏡による視力が1.0以上(眼鏡完全矯正群)と1.0未満(眼鏡低矯正群)に分けて比較した。LASIK術後1ヵ月の近見障害の有無を自覚症状に基づき調べ、近見障害に与える影響を多変量解析(ロジスティック回帰分析)を用いて検討した。

ロジスティック回帰分析の結果、年齢、性別、等価球面度数で補正しても、術前の眼鏡矯正状態は近見障害に対する有意なリスク因子であった。結論として、術前の眼鏡低矯正例では、術後1ヵ月目においても、近見障害が起きるリスクが高く、注意が必要である。

インストラクションコース

『Laser epithelial keratomileusis(LASEK)の実際』

北澤世志博・堀川良高・土信田久美子

LASEKは、屈折矯正手術の第二の選択肢として国内でもかなり普及してきたが、その一方で症例の選択がよくわからない、フラップ作成が上手くいかない、上皮下混濁の症例に対する点眼の使用方法がわからないという声もよく聞く。また、症例の選択や手術手技、さらに術後管理が、術後の成績に影響を与えることもある。

当院では2001年にLASEKを開始してから既に1,500症例を越え、今回のインストラクションコースでは、我々の経験をもとにLASEKの適応基準や手術手技、術後管理について紹介する。これからLASEKを始めようと考えている先生方、またすでに施行しているが手技や術後管理で悩んでいる先生方に参考にしていただければと思う。

屈折矯正手術の選択肢は今後さらに広がることが予想され、そこで個々の症例に適した術式を推奨できるように努める必要がある。特にエキシマレーザー屈折矯正手術では、Wavefront ablationが注目され、これにはLASEKなどsurface ablationの方が理論的に適している。またさらに、Epi-LASIKが始まるなかで、LASEKの手技や術後管理をマスターしておくことは役に立つと考えられる。

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※適応検査 / 説明会は、無料です。
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