虹彩認証と虹彩解析

虹彩とは

人間の眼球の黒目部分には角膜と水晶体があり、その間に虹彩(こうさい)と呼ばれる環状の薄い膜があります。

 

さらに、虹彩の内側には瞳孔があります。虹彩には瞳孔を拡大したり縮小させる筋肉があり、伸び縮みをすることで眼に入ってきた光の量を調整しています。カメラでいうと絞りにあたる働きをします。

 

虹彩は、現在、さまざまな面で研究され応用されています。

 

虹彩認証

虹彩の模様を使って本人であることを確認します。

 

虹彩にはシワがあります。シワの形成は人間が生まれる前からはじまり、2歳を迎えるころからほとんど変化しません。また、虹彩の模様は指の指紋などと同様にその人固有のものです。

 

同一人物の左右の眼でも異なりますし、一卵性双生児でも異なるように、虹彩の模様は、遺伝子の作用と発育時の環境により外部に現れるものであり、遺伝的影響度が少ないことが知られています。また、虹彩は眼の表面に存在することから、眼球内部の疾病などの影響を受けることがほとんどありません。

 

この特性を利用して、虹彩のシワのパターンをその人固有の識別情報として、個人認証に利用されています。

 

虹彩認証のメリット

虹彩認証はカメラで眼を撮影し、コンピューターで虹彩のパターンを抽出して認証を行います。非接触式であるため衛生的で、心理的抵抗が少ないというメリットがあります。また、顔や声のように年をとっても変化することがないので、認証率が高く、偽造も難しいというメリットがあります。

 

虹彩認証のデメリット

認証装置から、数メートル以上離れたり動いたりすると認証が困難になります。また、装置に眼を向けていないと認証することができません。そのため、対象者の協力を得られないような場では使用することができないのです。

 

さらに、認証対象が生きているかどうかの生体判定が難しいと言われています。生きている人間でなくても、高精度の画像であれば本人だと認証してしまうため、画像をコンタクトレンズに印刷したものでも認証してしまう可能性があります。そのため、認証システムだけだとセキュリティ上の問題がでてきてしまいます。

 

こうした点から、他の認証システムと併用して使用するといった対策が必要であり、現時点では、限られた範囲でしか利用できないと考えられています。

 

虹彩分析

虹彩は脳・神経系統・全身の各器官と密接に関連しています。虹彩は大脳の延長であり、あらゆる神経・血管・筋肉などの情報が入るからです。

 

虹彩を分析すると健康状態がわかります。虹彩の模様から、過去の疾患や将来患う可能性のある病気が分かると言われており、病気の予防に役立たせる試みも行なわれています。

トップページへ戻る